中学生からの挑戦状続き~もっと難しくてもはや論述できるか怪しい~
どうもこんにちは
しおさいです。
実はあの中学入試問題には続きがありました、、
あの操作を6回やって1になる1/NになるようなNを全て求めるというもの。
今回は厳密な論証はできませんでしたがこんな問題もあるよとのことで読んでいただければ幸いです。
↓前回記事です。
前紹介した手法は絶対に使えません。
煩雑すぎます。
じゃあどうするのでしょうか??
ちょっと気がつくか気がつかないかみたいなところがある問題なので
紹介するかなやんだのですが、個人的には面白いと思ったので紹介しようと思います。
発想
実は前回記事中の実験のところを見てください。
あることに気がつくが勝負です。
この操作では1を分子に足し続けます。
最初は1です。
約分できるようになったら必ず約分します。
初めて約分できるようになるのはいつのタイミングでしょう?
これは分母の素因数の最小値が分子に現れた場合です。
この時約分後の分母は必ず1になります。
これを分母が1になるまで行い続けるのです。
つまり
始めの数の分母の素因数の個数で操作の回数が決まるのです。
例えば分母が35だったら5×7なので
分子に5が出てくるまで分子に1を4回足す
約分して1/7になる
分子に7が出てくるまで分子に1を6回足す
約分して1になる
合計操作10回
とだいぶシステマチックにわかります。
ここまで気がつくことを求める時点で小学生には酷ではないでしょうか、、
以上をまとめると
・分母を素因数分解した結果で回数が決まる
・素数pを一回約分するためにp-1回の操作が必要
となります。
なので前操作が7回ということは8以上の素数(すなわち11以上の素数)は素因数に含まれてはいけません。
これだけで2, 3, 5, 7を何回かかけあわせた数だと分かるわけです。
最後にちょっと数学っぽくシグマ使って回答していきたいと思います。
解答
1/Nを該当の操作で1にするための条件を考える。
Nを素因数分解した結果を
とする。・・・①
すると題意の操作では分子に1を足すと2になる。
ここでa1が1より大きければ約分が起き、分子は1になり、
分子のNは2で割られた数になる。
a1が0であれば約分は起きず、分子は2のまま、分母はNのままになる。
このように題意の操作では最小の素因数が出てくるまで分子に1をたし
約分が行われると必ずまた分子が1の既約分数の形になる。
また、一回約分が行われるまでの操作の回数は最小の素因数をpとしてp-1回である。
同じ素因数をa回含む場合、該当素因数が完全に約分され、
分母から消えるまでに必要な操作回数はa(p-1)回である。
ゆえに①の形であらわされているNにおける1/Nの操作回数は下の式で与えられる。
これが6となるようなNを全て求めればよい。
Nが7より大きい素因数を持つとき、つまり11以上の素因数を持つとき
少なくとも11-1=10回の操作が必要なので問題の条件に合わない。
よって題意に沿うようなNは素因数を2, 3, 5, 7しか持たない。このとき
この方程式のa1~a4が0以上の整数である解を求めていけばよい。
各項は0以上の整数だから
これら7つの解を①に代入することで対応するNを求めることができる。
N=7, 15, 20, 27, 36, 48, 64
解いてみての感想
この問題はもはや論述できるか怪しいなというレベルのものでした。
それを見越して記述での出題を見送ったのかもしれません。
この問題を50分の算数の試験の大問7(最後)に持ってくる桐朋中学恐るべし。
パズル感覚で面白く、ためになる問題でした。
時には中学入試問題をコーヒー片手に解いてみるのもいいかもしれませんね。
それではまた
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