しおさいの勉強部屋

大学入試数学の知識を整理し、できる問題を増やすことを目指すブログ。自分の検定取得状況も書きます。

難しさがどこにあるか把握していこう~2012年東京大学~

どうもこんにちはしおさいです。

 

今日は問題が難しいってところを言語化することで

そこを回避する考え方を見つける糸口になるという話をしようと思います。

今までの問題とどこが違って

どこが問題を解くネックになっているのか。

問題を解く以外でも日常的に問題解決するうえで重要ですから

身に着けておいて損はないかと思います。

 

 

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例題は東京大学2012年

 

下記図のような三角形に区切られた場所がある。とある人が一秒ごとに隣の部屋に同じ確率で移動する。最初にその人がPにいると仮定してn秒後にQにいる確率を求めよ。

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1. どこが難しいのか

 

パット見てこんなの簡単じゃんなんて言える人は少ないのではないでしょうか。

基本的に確率の問題は

①単純な順列組み合わせのパターン(円順列や重複順列など)に帰着して直接コンビネーション・パーミュテーションなどで求める

②確率の漸化式を立て、数列的に求める

の二パターンが存在します。

パッと見たときに私はおそらく漸化式ではないかと予想しました。

なぜかというとQにn秒後にいるためにはn-1秒後にいる場所がおのずと決まっているからです。

しかしそうすると問題があります。

移動する場所が9か所と多く、それぞれを文字でおくととてもじゃないけど連立漸化式として処理できないことです。

ここがこの問題の肝です。

 

もう一つ、確率の問題では大切なことがあります。

n秒後、n枚のコインなどが出てきた際はn=1, 2などの場合を想定して実験すること

です。

 

それでは実験をやっていきましょう。

計算が大変なので2秒後からはいる場所に〇をつけています。

 

n=1

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n=2

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n=3

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n=4

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あることに気が付くかが勝負の分かれ目です。

先ほどの問題の難しさは変数の多さだといいました。

変数をどうにかして減らせば解けるかもしれないということです。

・Qに来るのは偶数秒後のみであること

・偶数秒後に存在しうる点は3か所しかないこと

・その三か所のうち、P, Q以外のもう一か所にいる確率は、図形の対称性によりQと同じなこと

 

ついに変数が二つになってしまいました。これなら解ける気がするぞ!!!

 

2. 解答

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<解答の下記図の部分>

n=1

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n=2

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n=3

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n=4

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3.  問題を解き終わっての感想

 

今回は問題の難しい点を言語化してみたらうまくいくかもしれないよという内容の記事でした。

もちろん、ほかに難しい点があってもう一段解決するべき場合もありますが

発想の道具として一個持ってみてはいかがでしょうか。

 

しかし実験から導くべき結論が多いこと。難しい問題ですね。

 

確率の問題に当たった時

・ひとまず実験する

・直接求められるか、漸化式かまず分かれ道がある

 

ことも紹介しました。

 

何も方針がわかないときに参考にしていただければと思います。

 

それではまた。

 

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